長距離便トラックのフェリー活用が見直されている
クルマの運転が好きで、求人の中でも特に一般の運送会社で職を探したいという人、独身で、どこで就職しても構わないという人は、各地の港の近くに拠点を持つ会社を一度あたってみるというのはどうでしょう。
マイカーでの旅行などでフェリーを利用したことのある人は、そんな風景を見かけたこともあるかもしれなませんが、長距離フェリーはふだんからたくさんの大型トレーラー・トラックを積んでいます。
例えば、神戸港から九州方面へのトラックの輸送実績は、平成25年度に16万5126台だったものが、26年度は19万9698台と120%以上の伸び。大阪労働局監督課によれば「フェリー内でドライバーが受けられるサービスが過去よりも充実し、フェリー乗船を拘束時間ではなく休息時間とするようになった」からだと言います。
つまり、トラックドライバーに限り、従来は乗船時間の2時間を拘束時間、残りを休息時間としていたものを、すべて休息時間にすることができるようになったから、ということがあるそうです。長距離輸送をメインの業務としている運送会社にとっても、フェリーの活用はトラックドライバーの体調管理を考える上で積極的に進めたい輸送連携なのではないでしょうか。
ドライバー専門の客室・レストランも
首都圏は、東京から徳島経由北九州と、茨城県大洗から北海道に向けた2航路、名古屋からは仙台経由苫小牧東までの1航路、大阪・神戸からは九州方面に7航路があります。また、日本海側には舞鶴、敦賀、新潟、秋田、小樽を結ぶ航路が4航路です。全部で14の長距離フェリーの航路があります。
それらの中でも「地域経済活性化支援機構」による支援の決まった宮崎カーフェリーは「早期にリプレイス(新船建造)できる、将来的に安定した事業体制を構築する」ことを目指し、現行のカーフェリーにおいても、トラックドライバーに向けての各種サービスを充実させています。
Aデッキは一般の旅客向けの客室ですが、Bデッキにはドライバー専門の宿泊室はもちろん、ドライバー専門のレストランがあり、展望浴室、サウナ、マッサージチェア、TVラウンジもそろっています。
これからは、ますます長距離輸送のドライバーはカーフェリー各社にとって上得意となるだけに、新造船のカーフェリーがどんなスペックとなるのか楽しみなところです。