俳優のように
記憶力が重要な仕事と言うと、膨大なセリフを覚えなければいけない舞台俳優がそうですね。それからやはりタクシードライバーでしょうか。タクシーを走らせるエリアの道をしっかり覚えていないといけませんから。
もともと記憶力に自信のある人は良いのですが、俳優でもタクシードライバーでも、記憶力に自信のない人だっています。
そういえば昭和の名優の1人、丹波哲郎さんはテレビ出演のとき、コップなどの小道具の裏側、つまり画面に映らないところにセリフを書いた紙を貼って演技したとかしないとか。
タクシーにも今はカーナビが付いていることが多くなり、ドライバーだって地図アプリの入ったスマホを持っています。
それでも、お客さんをスマートに目的地まで運ぶには、知識として道の情報が頭に入っているに越したことはありません。記憶力が良ければ「一度通った道は忘れん」なんてことも言えるかもしれませんが、やはり多くのタクシードライバーが、特に新人のころは「早く道を覚えて一流のタクシードライバーになりたいナ」なんて考えています。
実地に立つ
道を効率的に覚えるには、風景ごとにその場所を記憶に印象づけるのが良いと言われています。つまり、ただ地図を眺めて「道順」として、それこそ試験勉強のように暗記するのではなく、実地に行ってみて覚えるのです。
勤務中にお客さんを探しながらいろいろな道をたどってみるのも良いでしょう。新人のうちは、オフ日にマイカーで走ってみる根性があれば賞賛されるでしょう。
車だとスピードが出ていろいろなポイントを見逃すかもしれないので、徒歩や自転車でたどると一層効果的です。
漠然と道をたどるのではなく、ランドマーク、信号の名前などをメモって、後で復習してみましょう。
まずはエリア内にあるショッピングセンター、駅、ホテル、観光名所など、タクシーの利用客が行きそうな場所を押さえることが肝心です。それから飲食店や葬祭場、役所などもチェック。
道順はひと通りではなく、裏道、抜け道なども探っておくと、渋滞時に役立ちます。
そうしていろいろな道をたどっていけば、きっと多くのお客さんに喜ばれるタクシードライバーになれます。