憧れ
私はトラックドライバーのワーキングママさん。
父親がトラックドライバーだったこともあって、昔からトラックドライバーは憧れの職業だった。父親はお世辞にも「カッコいい」というタイプではなかったけど、ウチに遊びに来る父親の仕事仲間のトラックドライバーの中には「カッコいい」イケメンもいたんだよね、ウフ。
そんなわけで子どものころからトラックドライバーに憧れてきたけど、高校生のころとかには「トラックドライバーになりたい」なんて言ったりはしてなかった。と言うか、トラックドライバーになれると思ってなかった。
それで高校を卒業し、あるメーカーに就職して事務として働いた。でも、その会社に定期的にやってくる運送会社のトラックドライバーに女性がいて、私の人生は一変した。
タンカ
その女性は40代の中堅ドライバーで、背は低いもののたくましい体型で、私はその仕事振りに「カッコいい!」と魅せられてしまった。それで子どものころの憧れが再燃し、自分もトラックドライバーになろうと決心。
ただ、ひとつ問題が浮上した。当時付き合っていた彼氏が「トラックドライバーなんて女に似合わないからよせ」と言い出したのだ。
私は、なんて時代遅れの古臭い価値観とあきれ、その差別意識に憤り、「私はなりたいものになる。自分を貫き通す、こんなイイ女と付き合えることに感謝しなさい。私を受け入れるか、さもなきゃ別れるかよ」とタンカを切った。
もちろん、私はトラックドライバーになった。結婚して子どももできた。夫は、その差別男じゃない別の人だ。