20XX年未来の旅
今は20XX年。
自動車の自動運転化が進められたものの、AIだって誤作動を起こすこともあるし、普通に車道横の歩道を歩行者が歩くような場所では走らせられません!ってことで、自動車用と歩道とは完全に分けられることになった。
歩行者は地上を歩き、自動車は高架か地下を走るわけだ。地下道を造ることが難しい場所は高架になる。
そのころにはロボットも進化していて、人間がやっていた大体の仕事はロボットがやるようになる。それだけ少子高齢化が進みまくり、あらゆる産業で働き手がいなくなっているのだから、これはある意味必然。
人は働かなくなったから収入がなくなり、貧富の格差が広がったかと言うと、実はそうでもない。つまり、食べ物も着る物も趣味の物も、ほとんどをロボットが作るので人件費が抑えられて安価になり、政府がいっそ貨幣を無くし、すべての生産を政府管理にして国民に生産物を無償提供することにしたのだ。
そして誰もいなくなった?
人は外出する必要もなくなった。何でもネットでポチれば無償で自動配達してくれるし、食べ物も無償なので働く必要もないし。
エンターテイメントも衰退ですよ。人は仕事もしないので人生から葛藤が減り、ドラマが生まれないのだから。
もしかすると、そうなったら自殺者も増えるかもしれない。今も「仕事が生きがい」と言い切る人がいるくらいなので。
それは極論で、人は経済活動以外、つまり冒険だの新しい開発、挑戦に生きがいを見つけていくだろう。
それにしても何でもかんでも「便利に」とか「自動化」とかを進めていくと「人間のための便利」「人間のための自動化」だったはずなのに「人間がいなくても大丈夫な世界」を目指し、最後には「人間はだーれもいなくなった」に行き着くんじゃないかと思わないこともない。