船をこぐ
トラックドライバーが恐れるものの1つに睡魔があります。運転中、睡魔に襲われ、負けてしまうと交通事故を起こしてしまうかもしれません。
睡魔の力があまり強くなければ「えい、やっ!」と気合を入れて撃退できるかもしれません。しかし、睡魔の力が強ければ、何とか気合で一時的には追い払えても、またジワ~っと押し寄せてきて、ドライバーのまぶたを強引に閉じ、意識をなくそうとしてきます。
睡魔との攻防は、すなわち「うつらうつら」です。意識がある状態とない状態を行ったり来たりし、姿勢としては頭を縦に振るようになるわけです。これは通称「船をこぐ」とも言います。
攻防と言っても、この状態になると、すでに「いつ事故を起こしてもおかしくない」ので、明らかに「睡魔に負けてしまっている」とも言えます。
最良の対策は
睡魔に襲われると、眠気覚ましのタブレットなどで一時的に頭が冴えても、しばらくすると確実にまた眠くなります。
ですから、一番良い睡魔対策は、一度トラックを停め、休憩を取って仮眠することです。一度、ちゃんと睡眠状態になってから目を覚ますと、頭を完全にシャキッとさせることができます。
とは言え、時間に追われるトラックドライバーは、なかなかこの休憩を取る余裕がありません。それでも事故を起こし、自分や他人の人生をすっかり変えてしまうような危険を避けるため、もしかしたら時間に遅れることも覚悟し、遅れるなら連絡すればいいと腹をくくり、必要な休憩をしっかり取ったほうが良いでしょう。
もちろん、運転中になるべく睡魔に襲われないよう、日ごろから睡眠時間をしっかり確保しておくようにすることも大切です。ただ、いくら眠っても、変なタイミングで睡魔に襲われるということもあります。何にしても恐ろしいのが睡魔なのです。