余った時間に
トラック運転手として働いている人は「車の運転が好き」とか「運転が得意」とか、その志望動機はいろいろだ。「体力に自信があるので、それを生かしたかった」「やればやるだけ稼げる仕事と聞いたので」「父親がトランク運転手だったので、昔から憧れていた」なんて動機もある。
僕は、ドライブインの駐車場なんかでよく見掛ける、休憩中のトラック運転手のイメージから「きっと時間が余りがちな仕事に違いない」と考え、余った時間にはたっぷり読書でもできるかも、と思って求人に応募した。
それでトラック運転手になったわけだが、荷の届け先での待ち時間が長く、確かに時間が余ることもあった。しかし、待ち時間が長いので拘束時間も長く、それだけに過酷な仕事でもあった。
それでも「やってられない」と投げ出すほどには「過酷」とは思わなかった。もともと「のんき」だったこともあるが、それより、覚え始めたトラックの運転が「楽しかった」からだ。
運転するのが嫌いなヤツ
僕の普通運転免許は中型トラックを運転できたので、まずは中型トラックから乗り始めた。
それでも普通自動車より高い運転席からの優雅な眺め、大きな車体を自在に動かす醍醐味、高貴な乗り物に乗っていると思わせる勇壮な動きが僕を魅了した。
「スターゲイト アトランティス」のシェパードは優秀なパイロットで「飛ぶのが嫌いなヤツはバカ」なんて言ってたが、僕も同感で「運転するのが嫌いなヤツはバカ」だと思ってしまうほど。トラックの運転は面白い。
だから、運転技術もどんどん上達する。上達すると、さらに高みを目指したくなる。
大型運転免許はもちろん取得したが、トレーラートラックを運転できるけん引免許、ガソリンやら灯油などをタンクローリーで輸送できる危険物取扱者の資格も取得したくなるから、人って不思議な生き物。
待ち時間には確かに本を読んでいる。資格関係の本ばかりだけど。