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トラックドライバー 体験談

全員置いて1人で戻ってこい

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極秘指令

私はトラック運転手の仕事をしています。長距離の仕事ですが、毎回行く先は決まっています。
そんなわけで、いわゆるルーティンワークなので「仕事に飽きたかも」と思うこともあります。
こういうのは慣れから来る気持ちのゆるみでもあるので、私はなるべく「今日が初日」と思い込み、車両点検や荷物の確認、ルートの確認もしっかり行い、安全運転を常に心がけるように努めています。
とは言え、やはり気持ちのゆるみも生じます。人間なので完全ではないですから。
新鮮な気持ちを維持するため、私は妄想も試しています。
この荷物の配送は、工場への部品の配送なんかじゃなく、秘密基地への機密資材の輸送、なんて妄想します。
しかも、この任務を遂行するのは私1人じゃありません。同じ方向に向かうトラックや自動車を勝手に自分の仲間、それも部下と考えます。
さらに、私は会社を出発する前、上司ならぬ上官から極秘の指令を受けています。すなわち、秘密保持の目的から、無事に基地に着いて資材を降ろしたら「部下を皆殺しにして1人で帰って来い」と。

不敵に笑う男

届け先の工場‥じゃなくて秘密基地に着くまで、私はハラハラドキドキしながらトラックを走らせます。
部下とは言っても、裏切り者がまぎれているかもしれません。機密資材を奪うため、反旗を翻して襲ってこないとも限りません。
もちろん、道中で資材を狙うゲリラが襲ってくる危険もあります。近くを走るパトカーにも、なぜかドキドキ。
まあ、現実ではほぼ何事もなく、無事に工場に着くんですけど。部下に見立てた他のトラックや、何にも関係ない一般車両も、ここまで来る間に他の道に消えています。皆殺しにするまでもなく、自然脱落というわけです。解釈としては、ゲリラにやられて1人1人減っていったってことで。
部品を降ろした私は、今度は製品を積み、倉庫まで運んで会社に戻ります。
気分はすっかり極秘任務を終えた特殊部隊のリーダーなので、配車係に鍵を渡すと、なぜか不敵な笑みを浮かべて帰宅します。心の中では「俺にこんな簡単な仕事をさせるな」なんてつぶやいています。

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