ちっちゃなころからトラック好きで
俺は子どものころからトラックが大好きで、たぶんそのまま大人になったからか、トラックドライバーになった。
トラックの運転が仕事で、趣味はトラックのミニカーを集めることだ。
仕事では箱型6トン車に乗る。けど、ミニカーだといろいろな車種を集められるのが魅力。
もうこれが本当にいろいろあって、マニアにはたまらない。今じゃ滅多に見掛けない昔の車種もあるし、今街でよく見る宅配便のトラックとかリアルなのもあるし、映画のキャラクターをあしらったのもあるし、海外の車種もあるし、とにかく楽しい。
個人的に好きなのは、エンジンが前にあるボンネットトラック。アメリカとかだとまだ健在らしいけど、日本じゃほぼ見なくなった。でも、あの武骨なデザインが単純に好きなんだよね。
そんでミニカーというと国内にも、誰もが知っている有名メーカーがあるけど、俺はメーカーで集めているんじゃなくてトラックくくりで集めているんで、海外のメーカー品も買ったりする。海外メーカーのミニカーは、やはり日本のメーカーにはない“味”があって、なかなか魅力なんだよね。特にヨーロッパのメーカーが好み。
この世で一番価値あるもの
そんなわけで、昼間はトラックのハンドルを握り、家に帰るとミニカーのトラックを眺めてニヤニヤして過ごす。
ただ、子どもができたおかげで、ミニカーを愛でる生活も変化してきた。3歳になる娘もミニカーに魅せられたみたいで、1人でもミニカーで遊んでるし、俺が帰ると、待ってましたとばかりに一緒に遊んでくれる。
ミニカーと言っても、細かい部品もきちんと再現した、結構高価なものもある。しかし、娘の笑顔以上に価値のあるものなんて、この世に存在するだろうか? いや、存在しないんだよ、そんなもん。
そんなわけで、3歳の娘といろいろなミニカーで遊ぶのが、目下の俺の生きがい。
けど、娘も成長すればいずれミニカーから卒業し、アイドルなんかに憧れるようになり、そのうち「パパうざい」とか言い出し、「パパの服と一緒に私の服を洗濯しないで」なんて言いつつ夜遊びして、茶髪の男の子が運転するバイクの後ろに乗って暴走行為を繰り返した挙句、補導されて、仕事中の俺も電話で警察から呼び出されたりするんだろうな。どうしよう?
ま、そうなったらそんとき考えよう。