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その他ドライバー 体験談

バスの中の忘れ物

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牛肉にネギと言えば

私は路線バスの運転手をしています。
バスの中に忘れ物をするお客様もいらっしゃいます。傘、携帯電話が特に多いです。他に本、ハンカチやスカーフ、マフラー、手袋、バッグなどがあります。
そんな中、私が印象深く覚えているのは、デパートの食料品売り場で買ったと思われる商品が入った買い物袋です。中には、ネギ、しらたき、シイタケ、それにちょっと高めの牛肉が入っていました。そう、スキヤキの材料ですね。
この忘れ物は、座席に置き忘れられていたのではありませんでした。中学生くらいの男の子が、自分が降りるときに運転席まで持ってきてくれて「これ忘れ物みたい」と言って手渡してくれたものです。
私は営業所の担当者にこの忘れ物を渡しました。でも、ちょっと気になっていたので、翌日、あれがどうなったのか、担当者に聞いてみました。

母の愛は山よりも海よりも

すると、やはり、と言うか、そりゃそうだよな、と言うか、ちゃんと持ち主から連絡があり、取りに来たそうです。持ち主は50代の主婦で、スキヤキは息子さんの大学の合格祝いのためのものだったとか。その女性は息子さんの運転する車で営業所まで来たそうですが、忘れ物をちゃんと保管しておいてくれたことに恐縮しつつたいそう感謝していたそうです。
一緒に来た息子さんも、そんな忘れ物をした母親を責めるというより、ちょっと照れ臭そうにしながらも母親の「おいしいものを食べさせたい」という思いをありがたく感じている様子が見て取れ、担当者もほっこりした気持ちになった、と話してくれました。
毎日いろいろな人が乗る路線バス。何気ない日常に親子の情愛が見えることもあったりして、それも仕事のやりがいになっています。

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