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タクシー運転手 体験談

いつの間に?

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タクシー運転手なのに

僕はタクシー運転手です。
タクシー運転手と言うと、最近はあまりやらなくなりましたが、夏の定番だった「心霊番組」に出てきて「幽霊を乗せた」みたいな体験談を語ったりしました。
僕も友人知人に久しぶりに会ったりすると「幽霊目撃したりした?」なんて聞かれることもあります。そういう体験は一切ないので、何かタクシー運転手として半人前のような、申し訳ない気持ちにもなります。
ただ、そんな僕でも、もしかして単なる僕の思い過ごしで、心霊体験でもなんでもないかもしれませんが、ちょっとした、些細な不思議体験をしたことがあります。
それは僕がまだ、駆け出しのタクシー運転手だった、ある夏の日のことです。

ゆらめく人影

太陽がサンサンと照り付け、熱気で歩道の人影がかげろうのようにユラユラと見えるような日でした。
とにかく少しでも多くのお客さんを見つけようと、必死に歩道の人の動きに注意しながらタクシーを運転していました。
すると、茶系の地味な上下を着た、おばさんらしき人が僕のタクシーに向かって手を挙げたように見えました。おばさんは買い物袋を手にして、1人で立っていました。
僕は思わず心の中で「やった!」と叫び、タクシーを安全に歩道に寄せて行きました。そしてタクシーを停めて安全を確認して後部座席の自動ドアを開けました。
すると、乗って来たのは茶色のスーツを着てビジネスバッグを抱えたおじさんだったのです。

変身

僕はびっくりしました。それで、そのおじさんがタクシーに乗ってもしばらくボーっとしていたと思います。
するとおじさんのほうから「〇〇ビルまで」と言ってきたので、僕も慌てて返事をしてタクシーを発進させました。
僕は〇〇ビルへ向かう道すがら、アレコレと思い返してみました。もしかしたら、おばさんに見えたけど、ただおじさんを見間違えたのかもしれません。
いや、確かにその人はスカートをはいていたし、髪型もアップにしていたものの女性のヘアスタイルでした。
それなら、確かに茶系の服装のおばさんもタクシーに向かって手を挙げたけど、その横に茶色のスーツのおじさんもいて、ちゃっかりおばさんの前に停まったタクシーに素早く乗り込んだのかもしれません。
しかし、おばさんを目撃した情景を思い返してみると、確かにおばさんの周りには他に人はいませんでした。
まさに一瞬にしておばさんがおじさんに変身したとしか思えないのです。

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