同窓会
先日、高校時代の同窓会があり、いそいそと出掛けてきました。同級生たちとは約20年振りの再会です。
高校卒業後は2人の友人との年賀状以外の交流はほとんどなく、同級生たちが社会人になってどうなっているのか楽しみでもあり、自分がどう見られるのか不安でもある中での同窓会でした。
会場に向かう途中、高校時代をいろいろ思い起こしていました。
当時、誰かと付き合っていたということはないのですが、同じクラスに淡い恋心のような思いを抱いていた相手はいます。
そのKくんとの再会も、楽しみであり、不安でもありました。
懐かしい顔
会場には懐かしい顔が集まり、最初はちょっと堅苦しく名刺なんかを出し合ってあいさつするのですが、すぐに昔に戻って「〇〇ちゃん! すっかり貫禄付いたねえ」なんてにぎやかな声が、会場のあちらこちらから上がります。
私はそんな旧友らと談笑しながらも、目の端では何となくKくんの姿を探しました。
すると、旧友の1人がふと「そう言えばKのヤツは来ていないのかな」と話し始めました。それを聞いた別の人が「アイツ、確かトラックドライバーになったって聞いたけど」と続けました。
その会話に加わっていた数人が周りをキョロキョロと見始めたので、私もKくんの昔の姿を頭の中で今の年齢に補正しつつ、その姿を追ったのでした。
イメージ
Kくんはクラスの中でも背が高いほうでしたが、体つきは華奢でした。トラックドライバーと言うと、単なる思い込みかもしれませんが、どうしてもガタイが大きい、どっしりした体型をイメージしてしまいます。
そんなイメージと昔の姿がどうしても結びつかず、せめて顔立ちに昔の面影が残っていないか見回したのですが、それらしい人はいませんでした。「どいつがトラックドライバーのKなんだ?」と、1人がなかば苛立ちながら声を上げました。
すると、少し離れたところの人の集まりの中から「Kって、誰か呼んだ?」と声がしたのです。その声は、まぎれもなく20年前と変わらないKくんの声でした。
そしてそこに立っていた声の主は…? それはまた次の機会に。