稼ぎどき
タクシードライバーには稼ぎどきがある。一番はやはり金曜の夜だろう。場所は繁華街。要するに、飲み屋で楽しむあまり、終電を逃した人たちが溢れているだろうから、必ずお客さんを捕まえられるのが、金曜夜の繁華街というわけだ。
コロナ禍では、この稼ぎどきの定義がいささか揺らいだ。営業時間短縮、外出自粛などで、とにかく繁華街に繰り出す人たちが激減したから仕方ない。
タクシードライバーの仕事では、ただ漫然とタクシーを運転していてもお客さんをたくさん乗せることは難しい。情報を収集し、仮説を立てて検証するという努力を地道に重ねてこそ、たくさん稼げる。
先輩ドライバーは「運は関係ない」と言い切る。
それでも、いくら努力を地道に重ねても成果の出ない日もある。コロナ禍という状況下がまさにそんなド真ん中だ。
切り上げどき
コロナ禍ではなくても、いくら頑張っても、粘っても、一向にお客さんが見つからないときもある。
そんなときは、やはり切り上げどきが大切。つまり、あきらめることも肝心。あきらめて別の場所に移動したほうが良いかもしれない。
その移動の時間が「もったいない」と言えば「もったいない」けど、別の場所に移動したらそっちですぐにお客さんが見つかるかもしれない。こういう場合を考え、タクシードライバーとしては稼ぎ場所になるような場所を複数持っておきたい。
しかし、やはり問題はタイミング。もしかしたら、もっと粘っていたら、案外動かずともお客さんが見つかったかもしれない。それとも、もっと早く切り上げたほうが良かったかもしれない。
そういうところは、やはり「運次第」なのかも。