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トラックドライバー 体験談

ほころびの奥が

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効率

我々トラック運転手の仕事は荷を安全に時間通りに運ぶことです。途中で荷崩れなどがあってはいけません。
そのため、荷崩れしないようにきっちり、しっかり荷を積みます。それも荷を下ろす手間や順番なんかも考え、しかもその荷積みに余計な時間を費やしてしまわないよう、効率的に積まなければいけません。
これって、結構経験の要る、職人仕事の範疇に入ります。
私もトラック運転手になってしばらくは、なかなか効率的にうまく積めず、悪戦苦闘していました。ここで多くの時間がかかってしまうと、その後、納品の時間に間に合わせるために焦ってトラックを走らせなければならず、プロとは言えない仕事振りになってしまいます。
とは言え、そもそも、トラック運転手の仕事は荷を安全に運ぶことで、荷積みや荷下ろしはトラック運転手の仕事じゃないはずなんです。しかし、素早く荷を下ろすという効率を考えると、運転手が自分で荷積み荷下ろしをやらないと、わけがわからなくなるような気もします。

ロープ

さて、あれは5年ほど前、私も効率的な荷積みもできるようになっていたときの話です。その日は10か所以上に荷を運ぶことになっていて、その荷をすべて積み終わり、私は扉を閉める前に改めて確認するため、荷台をじっくり眺めました。
すると、一番奥の荷物に少しのほころびが見えました。その荷は段ボールをロープで巻いて補強してあったのですが、そのロープの端に少しほころびが見えた、ような気がしたのです。
変だなと思いました。積むときにもそれぞれの荷を確認したつもりだったのですが、そんなほころびは記憶にありません。第一、ロープを巻いた段ボールを積んだ記憶がありませんでした。
もしかしてそれは単なる記憶違いだったかもしれません。それで積んでいるときにどこかにぶつけるか、こすってしまい、そうなったのかもしれません。しかし、そんな乱暴に扱うことはあり得ません。
すごく気になったのですが、一番奥なので、しっかり確認しようと思うとまたすべての荷を下ろさなければいけません。それに、輸送の途中で荷を傷めてしまうレベルのほころびにも見えなかったので、気にはなりつつ、そのままトラックを発進させることにしました。

紛失

運転中も何も異変は感じませんでした。しかし、「奥の荷物にほころびがある」ということが気になり、いつもよりましてていねいな運転になったと思います。
荷の届け先を回り、荷はだんだん減っていきます。何か所目かで荷を下ろし、ようやく一番奥の荷まで手が届くくらいになりました。
ところが、そこで私はすっかり気が動転してしまいました。「ほころびがあって気になる荷物」が消えていたのです。ほころびだけがなくなっていたのではなく、荷物自体がありませんでした。
私は真っ青になりました。荷を紛失したとなると一大事です。
確かに奥にあったのを見ているので、ここまで来るのに紛失するなんて物理的に不可能です。
とりあえず遅刻してもいけないので、私はトラックを走らせました。まだ残っていた届け先に荷を届け、やがて、残るは最後の届け先になりました。
ここでまた私はびっくりしました。最後の届け先に届ける荷物がちゃんと残っていたのです。つまり、最初にほころびのある荷物を見つけたとき、1個、荷物を余計に載せていたことになるのです。
それにしてもあの荷物はどこから現れ、どこに消えたのでしょう。

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