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トラックドライバー 体験談

僕の叔父さん

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2つのタイプ

僕の叔父は昭和生まれで、トラックドライバーとして仕事をしていた。
無口だが親しみやすく、僕は子どものころから大好きだった。中学生のとき、一度だけ、叔父の職場に行ったことがある。叔父の同僚の中には、いかにも荒くれ者って感じのトラックドライバーもいたが、ほとんどが叔父のように真面目な職人タイプの人だったように覚えている。
やがて僕は大人になり、商社に就職した。上司は、叔父と同世代らしき、いかにも昭和な管理職の人だった。
この上司とはソリが合わず、ストレスがたまった。
もちろん、入社してすぐのころは僕も新人で、仕事のイロハも分かっていなくて、気持ちに余裕もなかった。しかし、3年もしてそれなりに経験を積んでいくと、だんだんその上司のある発言に何かイライラするようになっていった。
それは上司の過去の自慢話だ。

気負わない人

別に仕事の大先輩である上司の過去を否定する気はサラサラないが、それでもどうしても「いつまでそこにこだわっているんだろう」と思ってしまう。同世代の叔父が、滅多に自分の仕事を自慢めかして話すことがなかったから、なおさらそう思ってしまったのかもしれない。
成功を目指して努力するのはいいが、どうしてその成功体験にいつまでもこだわるのだろう。また、そうやって「過去の栄光」にすがりつく姿は、どうして美しくないのだろう。
僕がすっかり中堅社員になったころ、叔父は60歳を過ぎて仕事を続けていた。
叔父は昔から困っている人を見ると黙っていられず、お金に困っているという人にも「催促はしない。金があるときに返してくれればいい」と言って、結構な大金も投げ出してしまっていた。
そんなこともあってか、いつも本人は貧乏だった。ただ、それを気にしている様子もなかった。
叔父は70歳で他界した。名声も財産も何も残さなかった。輝かしい成功体験もなかった。
しかし、無事故無違反でトラックドライバーの仕事を貫いた叔父を、僕は誇りに思う。

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