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トラックドライバー 体験談

プロドライバー諸君! エコノミー症候群に気をつけよう

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なんだか体の調子がすぐれないと思ったら

長距離トラックドライバーの俺にとって、腰には慢性的に痛みがある。けど最近、なんだか足もむくみがちだ。暑い日はクルマもずーっと冷房を効かせているので、これも冷房病の一種かなーと思っていたけど、足にちょっとしびれる感じがあるのも気になっていた。

そんなわけでこの間、長距離を終えてひと段落したところで、近所の町医者に行ってみた。まず町医者で診てもらい、そこで病名がはっきりすれば、総合病院の専門科を紹介してもらおうと思った。

医院の老医師が「どうしましたか?」と聞くので、最近の状態を話し、長距離のドライバーが仕事ですと答えると「ナルホド、こりゃエコノミー症候群ですな」と言う。オー・マイ・ガーッ!である。エコノミー症候群と言えば、飛行機のエコノミークラスに乗る人の病気でしょ? 俺、飛行機なんか乗ったことないし。

老医師は「エコノミー症候群は飛行機に乗らんでもなるんですよ」と、すまし顔。正式な病名は静脈血栓症(じょうみゃくけっせんしょう)といい、クルマの座席に長時間座ってることが多くて水分を摂ってなかったりすると、なりがちだそう。循環器系の静脈で起きる血液トラブルが原因でそうなるという。「その症状がちょっと出てますよぉ」とのたまう。

言われてみれば思いあたる。まあ、治らない病気でもないらしいし、まずはどうしてエコノミー症候群になるのか聞いた。

なんと! 足から肺動脈に一気に血栓が飛ぶ

血液を循環させるのは、何も心臓だけの働きではない。足(下肢)の部分では、ふくらはぎなんかの筋肉の動きを利用して血液が流れている。なので、座りっぱなしで筋肉を動かさないでいると、血流はとどこおりがちになる。つまりドロドロ状態になり、やがて血液が凝固し、足の静脈に血栓(けっせん)という血のかたまりができる。

そんな状態で長い間、座りっぱなしでいた後、急に立ち上がったりすると、その血栓は肺まで一気に飛んで肺動脈を詰まらせる恐れがあるという。肺動脈が詰まれば血液は体内を正しく循環できなくなる。

このエコノミー症候群には、いろんな前触れとなる症状がある。足の静脈だけの血栓で発症に至らない場合も多いが、肺動脈まで血栓が飛んで死に至るケースもあるのだそう。

その前触れ症状、つまりエコノミー症候群の初発症状では、脚の静脈内血栓によるふくらはぎのむくみや痛み、しびれ、腫れなどがある。ただ、それくらいなら軽症で済む場合がほとんどでもあるようだ。

長時間運転時のむくみ・痛み・しびれ・腫れは危険信号だと思おう。血流が悪くなるとさらに血栓が増え、体調が崩れていくことになる。肺動脈まで血栓が飛んでしまうと、突然の息切れが起こり、失神や死に至る重症のケースもあるという。

エコノミー症候群の予防法

では、どうしたらいい? エコノミー症候群の予防法も聞いてみた。

1. ふくらはぎをほぐす
運転中は身体を十分に動かしていないし、緊張状態にもある。だから、ふくらはぎの固まりをほぐし、意識的にリラックスさせるようにする。どんなに輸送スケジュールがキツくても、2時間に1回は休憩をとって背筋を伸ばし、かかとを上下させる。

2. マメに水分補給する
体内の水分が減少すると血液はドロドロになり、血栓ができやすくなる。のどが乾くよりも先に、とにかく水を飲む。食事中も水分補給を忘れずに。

3. 弾性(着圧)ソックスをはく
弾性ソックスとは、足を圧迫させるソックスのこと。外側から適度な力が入ると循環が速くなり、筋肉のポンプ作用を強化できる。ただし、あまり圧が強いと血流が悪くなるので気をつけて。

4. 冷えを予防する
冷えは血管を収縮させて血流の低下を招く。冬だけでなく、夏のエアコンの効きすぎも要注意。荷役作業ができる程度に手足の防寒対策を行い、血流を促進させよう。

5. 禁煙する
タバコは血管に負担をかける。収縮作用が高くなり、血液の粘度も上昇させる。

「とりあえず、血液をサラサラにする薬を処方しときましょう。まだそんなにたいしたことなくてよかったですね」と老医師。
いやあ、ほうっておいたら大変なことになるとこだった。皆さんもくれぐれも気をつけて! それにしてもこの病気の予備軍がドライバーに多いんだったら病名も「ドライバー症候群」にすればいいのにね。

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