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トラックドライバー 体験談

目の中の異物

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ひ弱な体格

僕はトラック運転手の仕事をしている。
僕が勤める会社は50代のベテラン運転手が多く、皆はいわば「昔ながらのトラック野郎」だ。つまり、一見、荒くれ者のような外見をしている。
ただ、その中身は至って紳士だ。真面目で毎日、地道にコツコツと仕事をしている。運転も乱暴ではないし、車両整備や自分の健康管理にも細かい神経を使っている。
それでも先輩たちは30代の僕より体も大きく、まさしく「トラックを運転するために生まれてきた」ようさえ思えてしまう。それはつまり、僕が小柄でひ弱な外見だから、そのコンプレックスから先輩たちが一層大きく見えてしまうのかもしれない。
そして先輩たちは荒くれ者のような外見に似合わず繊細だけど、僕は外見通りに臆病だ。トラック運転手の仕事は、荷の安全を考えなければいけないし、安全運転も大事なので、とにかくいつも「安全」が気になる。気になってしょうがない。

大きくなりたかった

そんな僕がなぜ、トラック運転手になったのかというと、やはり大きくてたくましいトラックへの憧れがあったのかもしれない。大きくてたくましいトラックを自在に運転できれば、自分も大きくてたくましい存在になれると思ったのかも。
トラック運転手として仕事を続け、背が伸びたということはないが、確かに筋力や体力は付いたような気がする。それに先輩たちがひ弱そうな僕を仲間として迎えてくれたことも大きく、先輩たちがいるからこの仕事を続けることができている
以前、そんな先輩の1人に「僕は臆病だから、先輩たちみたいにたくましくなりたい」と言ったことがある。するとその先輩は笑って「お前は臆病ではなく、仕事がていねいで慎重なんだよ。事故や、荷を傷つけることを人一倍怖がることは、トラック運転手としてはむしろとても大切だ。むしろ俺は、お前のそういう性格がうらやましい」と言ってくれた。
目からウロコが落ちた。

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