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トラックドライバー 体験談

俺はトラックドライバー、皆の配達人だ

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これでいいのだ

俺はトラックドライバーの仕事をしている。宅配便の配達人だ。
今はネットで何でも買える時代になった。それで宅配便の量も増え、仕事は過酷さを増している。個人の感想だが、体力と根性がないと長くは続けられないと思う。
ただ、学歴も要らず、化学や機械工学、医学、法律、経済の深い知識と教養も要らないので、俺みたいな「勉強が苦手」でやってきた者にはとてもハードルが低くてありがたい仕事だ。
人には得手不得手がある。何でもかんでも学力が高くないと裕福に暮らせない世の中なんてのは不公平極まりない。だから、こういう仕事も「これでいいのだ」なのだ。
とは言え、やはり最近は本当に仕事が過酷になった。

自負

配達時間を指定してあるのに不在だったり、交通ルールを守らない、危険な自転車がトラックの近くに寄ってきたり、イラつくことも多い。
それでイライラもたまっていたある日、いつものように仕事で宅配便の荷物を届けた。大きくて重い荷物だったので、もちろん郵便受けには入らない。家人がいることを祈りつつ、その家のチャイムを鳴らした。
祈りが通じたのか、若い女性がドアを開けて荷物を受け取ってくれた。
受け取りにサインしつつ、聞いてもいないのに「実家から故郷の産物を送ってくれた」と話してくれた。そして受け取りを俺に返しつつ「重いのにごくろうさま。ありがとうございます」と軽く会釈してくれた。
何か妙に照れ臭くも誇らしい気持ちになり、それまでのイライラが吹き飛んだ。こちらこそ「ありがとう」と思った。
仕事なので、トラックドライバーにも良いこと、嫌なことがある。しかし、俺自身は「俺の仕事は多くの人の役に立っている」と言う自負を持って仕事しようと、肝に銘じた。

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