ドライバーのための転職情報コラム

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トラックドライバー 体験談

誰よりも食べたい

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麻婆豆腐

僕はトラックドライバー。まだ20代で、トラックドライバーになりたてだ。
子どものころから大きなトラックに憧れていて、この職業に就いた。
仕事は大変だし、辛いこともあるけど、それも僕がまだ経験が浅いから仕方ないと思う。そう思うと「辛いから辞めた」ともならない。経験を積めば辛くなくなるはずだし、辞めてしまえば経験を積めなくなる。
家族や友人からは「給料も安いのによく我慢しているな」と言われるが「ものすごく稼ぎたい」という気持ちも強くはないので、その点はあまり気にならない。
「ゆとり世代か」と言われることもあるけど、本当にあまり気にならない。
そんな僕の楽しみは「食べること」。稼ぎは「おいしいものを食べること」に消える。
寝て見る夢でも、おいしいものを食べる夢を見ることが多い。今朝も麻婆豆腐を食べる夢を見た。ハッキリ味を感じることもできた。
それを仕事先で同僚に話すと「お前も食いしん坊だな」とあきれられた。

すき焼き

そんな僕には、忘れられない店がある。
僕の食べ物への執着も、トラックへの憧れ同様、子どものころから。食べ物の夢も学生時代にはすでに見ていた。
その食べ物の夢の中で、かなり具体的な夢を見たことがあった。その夢で、僕は1人鍋の店すき焼きを食べた。味をリアルに感じたのはもちろん、店の壁の様子から机、椅子まで、とても生々しく見え、現実の体験かと思いそうになったほどだった。
さて、僕がトラックドライバーになったのはその翌年だった。それほど遠い場所には行かない小口配送の仕事を受け持ったが、それでも今まで行ったことのないエリアにしょっちゅう行くようになった。そこで「おいしそうな店」を見つけると、昼食時に寄ったり、休みの日にわざわざ自家用車で出掛けてそこの味を楽しんだ。
そんなある日、建物を見ただけで、何か強く惹かれるものを感じた店があった。ちょうど昼時だったので、僕は駐車場にトラックを停め、店内に入った。
すると、そこは前に夢で見た、1人鍋の店とそっくり同じ内装だった。実際、そこは1人鍋の専門店だった。
僕は迷わずすき焼きを注文。初めて食べる味なのに「これこれ、前に食べたときと同じ味」と感じてしまった。何とも不思議。

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