ドライバーのための転職情報コラム

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トラックドライバー 体験談

果てしなき青空

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リハビリ

俺は1年ほど前、サービス業の営業職からトラック運転手に転職した。
前職はそこそこ大きな企業で、福利厚生もしっかりしていたし、給料も良かったので、転職を聞いた友人知人はたいてい「なぜ?」と驚いた。けど、実はあまりにもストレスが多くて患って入院し、それをきっかけにスッパリその仕事を辞めたのだ。
心配かけたくないんで、入院のことは家族以外には話さなかった。それで皆転職の理由が分からず驚いたのだろう。
なぜトラック運転手になったのかというと、家族の友人の紹介だ。あまり深い意味はない。とりあえず本格的な社会復帰に向けてのリハビリのつもりで働き始めた。健康が万全になれば、また転職すればいい。
しかし、やってみるとこれが俺に合っていたんで、今度は俺がびっくりした。
あまり他人と接することなく、黙々とトラックを運転していることが仕事の中心だが、全く苦にならない。いや、むしろ楽しいとさえ言える。毎朝、起きて仕事に向かうのがうれしくて仕方ない。

芝生の上で

仕事で高速道路を使うこともある。
その日は、高速道路で西へ向かっていたのだが、昼を少し過ぎたあたりで、SAで休憩した。
トラックを駐車場に停めてレストランで昼食を取り、それから近くに広がっていた芝生に寝っ転がった。頭の上には澄み切った青空が広がり、小さな白い雲がゆっくりと流れていった。
俺は何となく「ああ、あの雲になりてえ」と独り言をつぶやいた。つぶやいた瞬間、おおっと、やべえ、アブナイ奴と思われちまうと思って飛び起きた。
周りを見渡すと、幸い誰もいなかった。俺はホッとしたようにため息をつき、少しそのままボーっと過ごすと、トラックに戻ってハンドルを握った。
トラック運転手の仕事をこのまま続けてもいいような気がしていた。

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