ドライバーのための転職情報コラム

KORAPITA(コラピタ)

トラックドライバー 体験談

悪夢のようなドライブ

更新日:

いつもと違う道

私は毎日、工場と倉庫を往復する定期便のトラック運転手をしています。
定期便なので、走るのは毎日同じルートです。時間も毎日ほぼ同じで、この定期便の担当になった5年前から、いわゆるルーティンワークを続けています。何なら、目隠ししてもできるのじゃないかと思っています。しませんけど。
それが先日、急に体調を崩して欠勤した同僚がいて、その日休みだった私が彼のルートを行くことになりました。そんなことも決して珍しくはないのですが、そのルートは私がそれまで通ったことのないものでした。
まず、営業所から倉庫に行きました。そこで部品などを乗せ、工場に向かいます。90分くらいの道です。
そこで部品を降ろして製品を乗せ、また別の倉庫に運びます。距離からすると、これもやはり90分くらいのルートです。
工場を出て、しばらく行くと、寂しげな荒れ地に出ました。住宅などの建物は全く見えず、対向車も来ません。もちろん歩行者など人影もありません。
そんな風景は決して珍しいものではないので、普通なら私もどうとも思わず運転を続けるのですが、その日は何か違っていました。

めまい

私は何とも言いようのない違和感を覚え、また、つけていたカーラジオは雑音しか拾わなくなりました。トラックを停めてスマホを操作してみましたが、なぜか使えません。
明らかに普通じゃありません。ここまでくると、違和感を覚えるどころか、不気味に感じました。しかし、とりあえずトラックを走らせることしかできませんでした。
さらに不可解なことに、そのうち道路の舗装がなくなり、いつの間にか砂利道を走っていました。
私はてっきり、どこか間違った道路に入り込んでしまったのだと思ったのですが、方向転換もできず、また脇道もなかったので、そのまま走り続けました。
そのうち、めまいがしてきて、このまま運転を続けるのは無理かもしれない、と思い始めたら急に意識がしっかりし、気がついたら舗装道路を走っていました。しかも、スマホが使えるようになり、地図アプリで現在地も確認できました。
結局、目的地へは3時間近くかかり、所長に怒られる始末。
その日休んだ同僚はそのまま会社を辞めてしまい、そのルートは別のドライバーが担当することになり、あの不思議な体験が何だったのかは分からずじまいです。

-トラックドライバー, 体験談
-

Copyright© KORAPITA(コラピタ) , 2024 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.