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トラックドライバー 体験談

ゆっくり流れた時間

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危ない交差点

俺はこの16年間、無事故無違反でトラック運転手として仕事してきた。
とは言え、ヒヤリとしてハッとした経験がないわけじゃない。
あれは6~7年前のことだ。
俺はそのときも仕事でトラックを走らせていた。住宅が密集はしていなかったが、住宅街だった。
住宅街は急に子どもや自転車が角から飛び出して来たりする。ちょっとの油断もできない。俺はいつものように慎重にトラックを運転していた。
そこは信号のない交差点だった。おまけに塀があって見通しが悪い。俺は「ほぼ停まるくらい」まで徐行し、標識に従って交差点の手前で一旦停止した。
案の定、次の瞬間、子どもがトラックの前を猛スピードで横切った。

ぶつかる!

俺は心の中でほっとため息をつき、トラックを発進させた。俺はこのとき、安心感からか、再度の左右確認を怠ってしまった。
するとそのとき、子どもとは逆方向から自転車がこれまた猛スピードで走ってきた。
「ぶつかる!」と思った瞬間、自転車の動きが急にとてつもなくゆっくりになった、ように見えた。まるで映画のスローモーションシーンを見るかのようだった。
俺は周囲が明らかにスローモーションになっている中、俺の体感では「普通のスピード」で後方を確認してまずトラックを停め、それから後退させた。自転車との衝突は何とか回避できた。
ほんの数秒のできごとだったように思う。
自転車に乗っていたのは20歳前後の若者だったが、向こうは向こうで「ぶつかる」という驚きの表情と、その後は不思議そうな顔になってトラックの前を横切っていった。
時間がゆっくり流れたように見えたのは、自分の動きが超人的に早くなったからなのだろうか。

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